2024年度
歯学部へ行こう 「入試のポイント」 Vol.1
私立歯学部の偏差値、ここを間違える受験生が多い
こんにちは、メルオンの田尻です。
私立歯学部受験を考えている受験生やご家族の皆さんは、いわゆる「歯学部の偏差値」は非常に気になるものだと思います。歯学部受験を考えている皆さんと話していて、「歯学部の偏差値」についての理解が十分ではない方が多いと感じます。「歯学部の偏差値について、そういった見方をしていると危ない」と思うことは少なくありません。
歯学部受験を考える皆さんが、「歯学部の偏差値」を見るのは、主に河合塾と駿台予備学校が発表する「歯学部偏差値ランキング」といったものだと思います。河合塾の「歯学部の偏差値」と駿台予備学校の「歯学部の偏差値」は、どちらもボーダーライン偏差値ではありますが、そこには違いがあります。
河合塾の「入試難易予想ランキング」の偏差値は、合格可能性50%の偏差値を示しています。一方、駿台予備学校の「合格目標ライン」が示す偏差値は合格可能性60%の偏差値です。「歯学部の偏差値ランキング」を見るときに、このことを理解することは欠かせません。
合格可能性50%と合格可能性60%であれば当然、合格可能性60%の偏差値の方が高くなりそうな気がするでしょうが、そうとは限りません。偏差値は、その模試を受けた人(母集団)によって変わるからです。偏差値は母集団の中の自分の状況を表していますので、「東大受験生だけが受ける東大模試では、偏差値は厳しくなる」ということです。河合塾の模試と駿台予備学校の模試では母集団が違いますので、多くの場合は合格可能性60%の駿台予備学校の偏差値の方が低くなります。ちなみに、進研模試の偏差値は非常に高く出がちです。
もう1点、河合塾の「歯学部の偏差値ランキング」は偏差値2.5刻みで表されていますが駿台予備学校の「歯学部の偏差値ランキング」は偏差値1刻みとなっています。受験生の皆さんは偏差値1刻みの方がありがたいと思いますが、河合塾は2.5刻みになっています。これは河合塾が「歯学部の偏差値は1刻みで表すほど精密なものではない」と考えているからです。「歯学部の偏差値」を見るときは、このことも覚えておいて下さい。
では、具体的に河合塾と駿台予備学校の「歯学部の偏差値」を見てみましょう。2023年度入試に向けた最終の偏差値です。まず、駿台予備学校と河合塾の「偏差値上位の歯学部」を見てみましょう。
駿台予備学校 | 河合塾 | ||
東京歯科大学 | 49 | 東京歯科大学 | 57.5 |
昭和大学 | 49 | 日本大学 | 57.5 |
大阪歯科大学 | 49 | 昭和大学 | 52.5 |
日本大学 | 47 | 大阪歯科大学 | 50.0 |
これを見ると、河合塾と駿台予備学校の「歯学部偏差値ランキング」では、かなり違いがあることが分かります。特に、大阪歯科大学についての考えが大きく違います。駿台予備学校は大阪歯科大学について、「東京歯科大学と同じくらい難しい」としているのに対し、河合塾は「大阪歯科大学と東京歯科大学では、偏差値7.5の差がある」としています。
偏差値で7.5と言えば、非常に大きな差です。昭和大学歯学部の扱いもかなり違います。
次に愛知学院大学歯学部について、日本大学歯学部と比べてみましょう。
駿台予備学校 | 河合塾 | ||
日本大学 | 47 | 日本大学 | 57.5 |
愛知学院大学 | 47 | 日本歯科・新潟 | 42.5 |
日本歯科・新潟 | 42 | 愛知学院大学 | 40.0 |
駿台予備学校は、「日本大学歯学部と愛知学院歯学部の難易度は同じ」としているのに対し河合塾は、「日本大学歯学部と愛知学院大学歯学部では偏差値で17.5も差がある」としています。
このように「私立歯学部偏差値ランキング」には、駿台予備学校と河合塾ではかなりの違いがあります。歯学部受験生やご家族の皆さんは、どちらか一方の「歯学部の偏差値」を見るのではなく、両方の偏差値を見るようにしてください。
とは言え、「偏差値が違うけど、どう考えたらいいの」という時には、オンライン個別指導メルオンのように歯学部に強い予備校に相談するといいでしょう。メルオンでは歯学部受験のための動画も配信していますので、よろしければ御覧ください。
メルオン動画 https://www.youtube.com/channel/UCg13VIBjdKA0wqHEzLRM5PA