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先輩からのメッセージ

「ひとり一人に寄り添う歯科医療」を、次の世代へ

松本歯科大学 今井 美恵 教授

松本歯科大学
今井 美恵 教授

松本歯科大学 地域連携歯科学講座 今井美恵教授にお話をお聞きしました。

私は松本歯科大学の卒業生です。
卒業後は九州大学歯学部大学院へ進学し、博士課程を修了しました。
その後、福岡市内の一般歯科医院にて臨床経験を重ね、卒後12年目からは病院歯科に勤務し、有病者や高齢者を対象とした歯科医療に携わってまいりました。そして歯科医師として23年目を迎えた現在、母校である松本歯科大学の地域連携歯科学講座の教授として、患者さんと学生の双方に向き合う日々を送っております。

地域連携歯科とは、さまざまな理由で一般の歯科治療を受けることが難しい方
たとえば、障害のある方、強い歯科治療への恐怖のある方、要介護・有病高齢者などに、安心して治療を受けていただくための診療科です。

「歯医者さんが怖い」その先にある、やさしい歯科医療のかたち

「歯医者が怖い」「診療台に座るだけでドキドキする」「口を開けるのがつらい」
そんな思いをしたことがある人は、子どもだけではありません。
大人や高齢の方、そして障害のある方の中にも、強い不安や恐怖から治療を受けられない人がたくさんいます。たとえば、診療室に入ることができない、光や音が怖くて泣き出してしまう、説明を聞いても理解が難しい
そんな患者さんに「普通の治療をしましょう」と言ってもうまくいかないことがあります。
では、どうすればその人に合った、安心できる治療を届けられるのでしょうか。


〇やさしい歯科医療「行動調整法」

【画像・静脈路確保の実習の様子】
【画像・静脈路確保の実習】

私たちが行っているのは、「行動調整法(こうどうちょうせいほう)」と呼ばれる方法です。
これは、患者さん一人ひとりの性格や発達、体の状態に合わせて、無理なく治療を進める工夫のこと。薬を使わない方法としては、少しずつ練習して治療に慣れてもらう「行動療法」、またリラックス効果のある笑気ガス(吸入鎮静法)を使うことで、落ち着いて治療を受けられるようにすることもあります。

さらに、強い恐怖心や障害がある方には、点滴で鎮静薬を投与する「静脈内鎮静法」や、全身麻酔で意識をなくして治療を行う「全身麻酔法」を選ぶこともあります。
これらの治療では、呼吸や脈拍、血圧をモニタリングしながら全身管理を行い、安全を第一に医療チームで支えます。
一人ひとりに合わせた医療を届けるには、やさしさと確かな知識、そしてチームで支え合う力が欠かせません。

〇すべての人に、歯科治療のチャンスを

地域連携歯科には、県内だけでなく隣の県からも多くの患者さんが来院されます。
それは、「治療を受けられなかった人にも歯科医療を届けたい」という想いを、地域と協力しながら積み重ねてきたからです。

「障害があって、普通の歯科治療が難しい」 「とにかく歯医者さんが怖くて行けない」 「持病が多く、治療を受けるのが心配」そんな理由で歯科から遠ざかってしまう方がたくさんいます。

けれども、実は“普通の治療ができる人”の中にも、一人ひとり違う背景や苦手があります。
だからこそ、私たちはその違いを理解し、寄り添うことを大切にしています。

どんな人にも安心して歯科治療を受けてもらえるようにそれが、私たち地域連携歯科の使命だと思っています。

〇歯科医師という仕事のやりがい ~口から全身の健康を守る、チーム医療の一員として~

【画像・全身麻酔科下歯科治療の様子】
【画像・全身麻酔科下集中歯科治療】

歯科医師の仕事は、むし歯や入れ歯の治療だけではありません。
「口の健康」は、食べる・話す・笑うといった日常のすべてにつながっています。さらに近年は、口腔の健康が全身の健康を支える大切な要素であることが、科学的にも明らかになってきました。

たとえば、口の中の状態は栄養や免疫、生活の質(QOL)に深く関係しています。
誤嚥性肺炎の予防、糖尿病や心疾患のコントロール、摂食・嚥下機能の改善など歯科医師は「食べる力」や「生きる力」を支える医療の最前線にも関わっています。

また、歯科医療はひとりでは成り立ちません。さまざまな専門職と連携しながら、患者さんの生活をトータルで支える多職種連携・チーム医療が求められています。

歯科医師は、口の専門家としてチームの中心で“つなぐ役割”を担います。
これからの時代に求められる、口腔だけでなく“命”に向き合う歯科医師の姿です。

「一緒に、歯科医学を学びませんか?

「歯科医師になろう」という決意を、松本歯科大学では毎日の学び・生活・仲間・自然・実習がしっかり支えてくれます。「人の役に立ちたい」「誰かの笑顔を支えたい」「医療というフィールドで貢献したい」というあなたにとって歯科医師という道はきっと大きなやりがいを与えてくれます。松本歯科大学は“出発点”としてふさわしい場所です。ぜひ、皆さんも私たちと一緒に、“人を支える歯科医療”を学んでみませんか。あなたのやさしさが、誰かの勇気になる日が、きっと来ます。

次回に続く・・・

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